E2.舒明天皇陵~聖林寺~安倍文殊院:忍坂から磐余の地へ

このコースは山の辺の道に組み込まれていませんが、桜井市の南部の重要ポイントを巡るコースとして設定しました。

大和朝倉駅から南の方は『忍阪(おっさか)』と呼ばれ、古来は王家関連の墓域となり舒明天皇陵や天王山古墳群などが存在します。

一方桜井駅周辺は『磐余(いわれ)』と呼ばれ王家の宮地跡などの推定地が存在し大和王権発祥の地として知られています。

加えて古代豪族の「安倍氏」の本貫地としても知られ周辺にはゆかりの寺社や豪族達の大小の古墳が散在しています。

基本コースとしては大和朝倉駅から南に下り、その後、桜井駅に向かって北に下って歩くコースとしました。

 

途中、天王山古墳から聖林寺までが倉橋溜池の周回路と寺川沿いの農道でつながっており、当初の想定以上に変化にとんだ里歩きが楽しめました。全長は12kmほどとなっています。

 

尚、今回の行程及び写真は2018年5月15日、5月20日の取材を元に作成しています。

このコースのポイントは次の三箇所に別れます。

①忍阪散策 舒明天皇陵~石位寺

②天王山古墳群から聖林寺~倉橋溜池と寺川沿いを

3.安倍文殊院周辺の散策

コース別に概要をご紹介致します。

①忍阪散策 舒明天皇陵・鏡女王墓・大伴皇女墓・石位寺

大和朝倉駅から舒明天皇陵までは案内表示は満足とは言えませんが、迷う心配はなさそうです。

舒明天皇陵から大伴皇女墓までは『奥の谷』と呼ばれ静かな世界が広がっています。

舒明天皇陵は日本初の八角形墳で知られていますが、八角形を確認することは困難でした。

又、鏡女王・大伴皇女の治定に関しては他説もあるようです。

朝倉台西からは近畿自然歩道で左折です。

舒明天皇陵が姿を現します。


静かな奥の谷へと入っていきます。

最も奥の大伴皇女押坂内墓です。


石位寺への途中、神武ゆかりの『神籠石』とか。

石位寺の裏の高台からの眺めです。


尚、石位寺の著名な重要文化財『伝薬師三尊石仏』を拝観するには、事前連絡が必要です。

桜井市観光課 0744-42-9111(内線341) 拝観時間10:00~16:00

②天王山古墳群から聖林寺へ~倉橋溜池と寺川沿いを~

ここは、古墳巡りの中で一番面白いといわれる『赤坂天王山古墳』の石室の中に入るかどうかの決断ですね。

とりあえず古墳の石室の前まで行ってから悩んで下さい。

そして、その後は『展望抜群』と書かしていただいた場所まで歩いてみて下さい。そして、ゆっくりと眺望を満喫して下さい。

『倉橋ためいけふれあい公園』は休日には釣りファンで結構賑わっていますが、周辺設備はかなり老朽化しています。

日差しを除けたかったら北側のジグザグ道で急いでおられたら南側の道でしょうか。南側には手洗いがあります。

そして、途中は崇峻天皇陵を経由して聖林寺へと向かいます。

尚、考古学の世界では、赤坂天王山古墳こそが崇峻天皇陵の真陵ではといわれています。

もし天王山古墳に行かれたら、そんな天皇陵の中に入れる唯一の機会かも知れませんね。

正面が天王山古墳群の丘です。

天王山古墳の入口の柵です。


猪除けの扉を開けて中に入るとすぐに右手の細い道を歩きます。

突きあたると左手に何やら丘の上に向かう道があるので、その道を登るとすぐに石室入口です。

右の道や最も左の道は古墳を一周する道です。

さあ、石室の前で悩んで下さい。

奥には盗掘で割られた石棺が。


石室の中は本当に真っ暗ですから懐中電灯がベストです。そして二人以上が安心ですね。

数メートルはしゃがんで移動ですからかなりきついです。奥まで行くと結構高い天井の石室でした。

私は一度でもう十分でした・・・。

古墳を一周する道を辿ると、他の古墳がありますが、現在は私有地の囲いの中で見ることはできません。

さて、気分を落ち着かせて絶景を見に行きましょう。

倉橋溜池の堤防、ここが展望抜群の場所です。

溜池もなかなかきれいです。

細長い小山が天王山古墳群のところです。

車両通行禁止の北側の周回道路です。


ここからは、崇峻天皇陵を経由して聖林寺へ向かいます。

もちろん、『もう十一面観音はいいです』、と思われたら談山神社大鳥居までぶらぶらと散策下さい。

最初は寺川の右岸を歩いていきます。

奥に聖林寺が見えるところまできました。


③安倍文殊院周辺の散策

ここまでやってくると、もう桜井駅はすぐですから、残された時間できままに散策下さい。

ただ、文殊院や土舞台は再び丘の上ですので、最後の力を振り絞って下さい。

聖徳太子の住居地?住宅地の上之宮遺跡。